かっこ良くやろうなんて思わない。かっこいいと思った瞬間、それは、かっこ良くはない。
小手先の技術だけで見せようとしてはいけない。技術なんて所詮手段でしかないのだから。
必死で何かを突きつめようと、愚直に打ち続け、もがき続ければいい。
芸能は、昔生きた人の呼吸の跡・・・。
自分の呼吸を重ねてみると、乗り越えることの出来ない存在に気付く。自分の希薄さにたじろぐ。
それでも今の自分は、この時を確かに生きている。乗り越えられなくとも、この瞬間の空気を体いっぱいに吸い込み、これが自分だ!今生きている自分だと、打面を打ちつづけ、つづけてゆく。
ズシン!と来るものが見たいと思う。いつまでもいつまでもあとを引いて、忘れられないようなものを創りたいと思う。 演出・芸術監督 北原 永